色褪せることのない思い出
私が住んでいるのは50年程の歴史がある閑静な住宅街、そのため高齢者の割合が非常に高い。 私、「〇〇さんち、庭師さんが来てるな?」 妻、「御主人が生きているうちは、御主人が庭の剪定をやってたけど、高齢の奥さんでは無理ね」 暫くすると、御近所さんらが庭師さんが入った〇〇さんちの庭を見ていた。 私、「どうかしましたか?」 御近所のAさん、「せっかく大きく育った木を、切っちゃうのは可哀想よ」 御近所のBさん、「あの大きな木、御主人が大事に育てたのにね」 翌日、庭師さんが入った〇〇さんちの庭を見に行くと、以前とはすっかり変わっていた。 私、「庭木は殆ど残ってないな」 妻、「あの家、売るんじゃない?」 私、「御主人がいないと不用心だから、奥さんは施設に入ったほうが良いかもな」 それから暫くすると、庭木が殆ど無くなってしまった〇〇さんちは、外壁の塗り替えが行われた。 妻、「やはり、〇〇さんちは売るのよ」 私、「売るなら、外壁の塗り替えはしないだろ」 妻、「キレイに塗り替えをしたほうが高く売れるのよ」 私達のように思っているのは、近隣住民も同じ。 近隣住民①、「〇〇さんがいなくなると淋しくなるわ」 近隣住民②、「次に引っ越して来るのは良い人だと良いけど」 朝、犬を連れて散歩していると、家の塗り替えを行った〇〇さんがいたため話し掛けてみた。 私、「家の塗り替えを行われたのですね?」 〇〇さん、「家を建てた時の色に塗り替えてもらったの」 私、「庭師さんが入ってましたね」 〇〇さん、「家を建てた時の高さに木を剪定してもらったの」 私、「御主人も喜んでいるでしょうね」 〇〇さん、「家を建てた時の色に塗り替えたら、落ち込んでいた気分が前向きになったわ」 そのことを妻や御近所さんに話すと、皆、安堵した。
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